ホテル、旅館、宿泊施設のマットレスが(一部の人にとっては)硬すぎる問題を改善したい
どうも、マットレスフィッター®️の植村です。猛暑が続きますね。引き続き全国各地の絶対湿度は20g/㎥を越えているようなので、夜間も窓は開けずにエアコンを付けてお過ごしください。(窓を開けるとカビとダニのリスクが上がります)
先日、とある宿泊施設様から「ソフトフィットオーバーレイ」に関するお問い合わせを頂きました。
「シモンズのマットレスを採用しているが、稀に宿泊客から『マットレスが硬すぎる』という声を頂戴することがある。その対応策としてそちらのソフトフィットオーバーレイが有効なのではないか?」という内容です。
(ソフトフィットオーバーレイの詳細は下記リンク先にて)
目次
宿泊先のマットレスには快眠屋も悩まされている
実は「宿泊先のマットレス(or敷布団)が硬すぎる問題」は我々も悩まされている問題です。
出張やプライベートで外泊すると「うわ。。。マットレス硬すぎ。。。仰向きで寝ると腰のウラにスキマができて辛いし、かといって横向きで寝ると肩が圧迫されて辛い。うーん、しょうがないからうつ伏せで寝るか。。。(翌朝首が痛い)」という目に遭うことが結構な頻度であり、旅行の場合はわざわざソフトフィットオーバーレイを持っていくスタッフもいるくらいです。(流石にこれは車で行く場合だけですけど)
- 硬いマットレスの方がヘタリにくい
- 硬いマットレスの方が安価に作りやすい
- その是非は別として日本人はどちらかという硬めを好むケースが多い
こういった事情を考慮すると、宿泊施設側が「標準〜硬めのマットレス」を導入するのも当然でしょうし、そもそもの話として全ての人に満足してもらえるようなマットレスを用意することは不可能ということも承知していますが、ビジネスホテルならいざ知らず、ラグジュアリーな宿泊体験をウリにしている宿の場合は食事やお風呂だけでなく、マットレスにももう少しだけ意識を向けて欲しいなぁと常々思っておりました。(これはマットレスだけでなく寝具全般に言えることです)
ですから今回のお問い合わせを頂いた際は「ここまで考えてくれる宿があるんだ!枕の貸し出し程度ならよく聞くけど、マットレスそのもののテコ入れサービスはあまり聞かないもんね!」と感心したものです。(大変生意気な物言いですみません)
(※後から分かったことですが、偶然にもこちらのお宿は僕がかねてから憧れていたお宿でした。恐らく旅好きの方で知らない方はいないはず。ただ1人あたり1泊5万や10万といったレベルを遥かに越えた超高価格帯のお宿なので、僕個人は憧れのままで人生を終える可能性が大です。。。嗚呼宝くじ。。。)
上質な宿泊体験を提供するには寝具も大切
宿の公式webサイトを見ても寝具に関する詳しい説明はほぼ皆無です。「シモンズ製マットレス採用!」と書いてあるくらいでしょうか。
一休やReluxといった予約サイトを見ても、クチコミの評価項目は食事やお風呂、サービスがメインで、寝具という独立した項目はありません。寝具に言及するクチコミが多ければ話が変わってくるかもしれませんが圧倒的に少ないんでしょう。
宿を選ぶ時に食事やお風呂、ロケーションが決め手になることはあっても、寝具が決め手になることはまずないでしょうからそれも頷けます。宿側が「寝具を充実させたところで直接集客には繋がらないし、そりゃ後回しになるよね。」と考えるのも無理はありません。
ですが、ちょっと待った!と言わせてください。
上質な寝具体験は直接の集客には結び付かなかったとしても、お客様の満足度向上やリピート率の向上には繋がるはずです。特に高価格帯で、非日常の贅沢さをウリにされている宿の場合は尚更でしょう。消費の対象がモノからコトに変わったとはよく言われますが、希望のお客様には30分程度の簡易的なマットレスフィッティングを受けてもらい、その寝具でお休みになってもらうという体験を提供するのもアリかもしれませんよね。
内部事情を知らない外の人間が口出すのは甚だ失礼なことだとは承知しておりますが、宿のこだわりの中に寝具も入れて頂けると有り難い限りです。
快眠屋が宿泊施設の寝具をディレクションするなら
我々が宿泊施設のマットレスを担当させて頂く場合、可能であればお客様の体型・好みに応じてある程度柔軟にマットレスの硬さを変えられる状態を目指します。(もちろん希望があった場合だけですが)
この場合、
①マットレスをその都度違うものに入れ替える
②寝心地の調整ができるマットレスシステムを使う
③マットレスの上にオーバーレイを重ねて調整する
の3つの方法が考えられますが、①は現実的ではありませんから、新規開業やリニューアルであれば②、開業済みで既存のマットレスがある場合は③でしょうか。尚、さらに余裕があるなら②と③の合わせ技が最も効果的です。
ソフトフィットオーバーレイはコストパフォーマンスが高い
新規開業やリニューアルなら②と書きましたが、これは予算が潤沢にある場合に限られてしまうので、採用しやすいのは③の「オーバーレイを乗せる」ですね。(※ここでいうオーバーレイとはソフトフィットオーバーレイのこと)
柔らかいマットレスを硬くするのは骨が折れる反面、硬いマットレスを柔らかくするのは難しくありませんので、常設のマットレスは標準〜やや硬め程度に振っておいて、その範囲から外れる場合はオーバーレイを乗せれば大体のケースは解決できます。
また全室で同時にオーバーレイが必要になることは考えにくいので、部屋数が少ない宿の場合は数枚用意しておけば事足りるはずですし、オーバーレイは丸めたり畳んで保管することもできるので保管場所に困ることもないでしょう。(低密度なウレタンの場合、丸めたり畳んでおくと型崩れが起こります。またラテックスは紫外線と湿気に弱いので保管の際に気を使います。)
尚、オーバーレイは詰め物がほとんど入っていないマットレス(手で触ると中のスプリングがダイレクトに感じられるようなマットレス)のリカバリーにも大変有効です。
ちなみに今回お問い合わせを頂いたお宿には、ソフトフィットオーバーレイ33と洗えるウールベッドパッドを納めさせて頂くことになりました。我々の寝具が少しでもお客様の満足度向上に繋がれば幸いです。
寝具のクオリティを上げたい宿泊施設様はお気軽にご相談ください
昨今のハイカラなお宿はクリエイティブディレクターとかアートディレクターといった肩書きのすごい人が関わっているケースが多いかもしれません。我々にはそういった全体を俯瞰する能力はありませんが、寝具という世界においてはご協力できることが多いにあると考えています。
寝具のクオリティを上げたい、上質な睡眠体験を提供したいとお考えの宿泊施設様はお気軽にご相談ください。